zshio3721の日記

日本の動物園について勉強しています。アカデミックな価値は皆無です。

千葉市動物公園に行きました

超絶久々に動物園の記事を書きます。このブログ、もはや何ブログでしたっけ? みたいな疑問が湧き始めたから書くということでもなく、実はこれまでも、動物園を訪れても記事にしないことがちょくちょくあったんですよ。京都市動物園や、東山動物園、天王寺動…

「いのちへの礼儀」を読みました

読んだんです。 文芸評論家・社会運動家の生田武志氏の著書です(以下、本書)。とにかく論点が豊富で、「人間と動物の関係に関することはおよそ全て調べて書いてやろう」という気概が見えるほどです。自分としてもメンションしたい部分が多くあり、かなり時…

勉強の進捗について

「勉強の進捗について」とのタイトルで約2年ぶりにブログを書き始めましたが、特段の進捗はありません。社会人(会社人)と並行して個人的な勉強をするのが、これほど困難とは。もちろん、自分の怠惰のせいもあるんでしょうが…。 動物や、動物園への興味は衰…

メナジェリーに行ってきました

タイトルが(略)。 フランス、パリはメナジェリーに足を運んできました。本当はパリ近郊にもう一つより近代的な動物園があるのですが、今回の目的はフランス観光だったためさすがにそっちに行くのは控えました。一回の海外旅行で二つ動物園に行ったらさすが…

最近の研究について

約一年ぶりの更新です。 今年に入ってから諸事情により研究を中断していましたが、夏ごろから去年よりもはるかに緩やかなペースで研究を再開しています。誤解を恐れずいうならば、趣味。 ところが今年に入ってからの研究は動物園ではなく、動物愛護の歴史に…

イルカ猟と水族館問題について

論文がなんとか提出できました。今回はその内容とからめて、イルカ漁と水族館問題を取り上げたいと思います。動物園じゃないけど。まずは問題の背景を整理します。2015年4月22日に世界動物園水族館協会(WAZA)が日本動物園水族館協会(JAZA)の協会員資格を停止…

動物観学会に行ってきました

教授に誘って頂いて、2015年の動物観研究会のカンファレンスにお邪魔してきました。 会は二部構成で、後半の総合討論には旭山の坂東園長をはじめとしてデザイナーの若生さん、小説家の川端裕人さんらの議論を千葉市動物公園の石田おさむさんが司会するという…

「反哲学」と動物園

哲学研究者である木田元先生の著作に影響されてこんなタイトルを思いつきました。著作といってもゴリゴリの哲学書ではなくて哲学にかかわる一般向けの易しいエッセイですが。大局的に言うならば、僕が昨今の動物園に対して抱いていた疑問はこのような命題に…

井の頭文化園に行ってきました

読んで字の如くです。 これで、東京ズーネット系列の動物園はすべて行ったことになります。都内近郊に暮らすようになって何年か経ちますが、やっとかという感じですね。ただし動物園としては都内だけでもまだまだ行けていないところが多いですから(あとは羽…

動物園の展示まとめ2

二つ目いきます。ランドスケープ型の展示の意図は自然の再現です。動物だけでなくそれを取り巻く環境を動物園全体で再現して見せることによって、観客に動物や自然に対する畏敬の念を養わせ自然保護につなげるという目的があるようです。まさに1980年代から…

動物園経営の手法

順番は前後しますが、先にこちらを書きます。後にすると忘れそうだしね。日本の公設動物園は、その経営の手法を2000年頃から転換することを強いられます。すなわち、それまで「公設かつ公営」、つまり動物園を作るのも運営するのも地方自治体という動物園が…

動物園の展示まとめ

さてさて、またもや大変久しぶりの投稿となってしまいました。どうも、論文に書きたいことが迷走するとブログにも何も書けなくなってしまうようです。何かを文章にして表しておくということのハードルが、自分の中ではまだまだ高いのでしょう。 前回まで、動…

上野動物園の展示手法

さて、今日もクソ暑いですね。今日は日本の動物園の代表とも言える上野動物園を取り上げます。本題に入る前に、上野動物園といえばその経営手法が独特ですよね。国を代表する動物園でありながら、国に所属する機関ではありません。つまり国立ではない。同じ…

ズーラシアに行ってきました

なんとも間抜けなタイトルですね。今回はズーラシアの展示の特徴を淡々とまとめていくだけの淡白な更新です。余談ですが、今回の訪園ではちょうどナイトズーラシアが開催されていました。家族連れやカップルから怪訝な目線を送られながら園内を闊歩してきた…

動物園と水族館

以前、本当に少しだけ触れた「動物園と水族館はなにが違うんだろう」という疑問について書いてみたいと思います。7月ですでに暑い今日この頃、水族館に入る瞬間を想像してみてください。うっすら暗くてひんやり、快適ですよね。すこーし塩素に似たような清潔…

動物園学の根底を探る

大変お久しぶりの更新となりました。前回更新から今までの間、自分の中で動物園観が大きく変わるきっかけがあり、考えがうまく文章になる気がしなかったためです。まず前回までの内容から、ひとつの研究テーマを思いついていました。それはすなわち、「動物…

中川志郎の「動物園学」を探る part2

さて続きです。日本の「動物園学」について何度か指摘していることですが、やはり中川氏の著作でも欠落している点について書きます。中川氏の展開する議論の前提には、このような考え方があります。まず一つには、全体論的な考え方。すなわち、「動物の種そ…

中川志郎の「動物園学」を探る

今回は中川志郎氏の「動物園学ことはじめ」を取り上げます。以前にも書いた日本の「動物園学」はこの本を代表とするような著作の考えを受け継いでいるように思われます。そのため今回はこちらの本を読むことで、そのルーツを探りながら批判をくわえていきた…

日本の「動物園学」

先日触れた、日本で生成されつつある「動物園学」についてです。括弧付きなのは、欧米で発達している動物園学とは若干異なると思うからです。現在の日本の「動物園学」をつくろうとしている運動の中心にいるのは日本の各動物園の園長さんたちです。現状日本…

学問分野としてのAnimal Studies

先日記事にしたBergerおよびBurtについて、人に発表する機会がありました。その場で、Animal studiesなる学問分野が発達しつつあるということについて聞いたので備忘録的に書いておきます。まぁ「学問分野」とか「学問」という概念の明確な定義とかそういう…

クサいのは、お嫌いですか?

ずーっとまじめな著作に関する記事が続いたので、今回は日常的な話をば。「動物園、そんなに好きじゃないんだよね。」夕方のカフェで、友人がこんなことをつぶやきました。彼は続けます。「どっちかっていうと、水族館のがいいな。魚好きだし。」気になった…

'Why Look at Animals?': A Close Reading ざっくり読み

予告(?)通り、Burtを読みました。こんな論考が出るくらいなんだから、Bergerの本が僕にはさっぱり分からないなんて当たり前なんですね、ちょっと安心したわ。英語力不足+ざっくりとしか読んでないのでアレなんですけど、いくつか気づいた点があったので…

見るということ(まとめ)

「見るということ」一章、「なぜ動物を見るのか」まとめでございます。 興味をそそられる論点がいくつか出てきました。 まず人間と動物はかつて一つであったのに、それを引き離し、周縁へと追いやってしまったという話。大衆消費社会(この言葉の定義は曖昧…

見るということ(後半)

さてさて後半です。 おそらく筆者の目の前にある問題は、「なぜ我々は動物園で動物にがっかりするのか」ということなんだろうと思う。 なんとなく共感できるような問ですよね。たとえばチーター。僕の記憶の中では、彼らはものすごい勢いでサバンナを駆け抜…

見るということ(前半)

ひとまず日本の動物園調査の基礎研究の一環として、John Bergerの「見るということ」一章を読んでおります。しかしまぁ、言っていることがよく分からない。人間と動物の関係について、だいたいは時系列に沿って歴史をひもといてゆくのだけれど、使われる単語…