zshio3721の日記

日本の動物園について勉強しています。アカデミックな価値は皆無です。

ズーラシアに行ってきました


なんとも間抜けなタイトルですね。今回はズーラシアの展示の特徴を淡々とまとめていくだけの淡白な更新です。

余談ですが、今回の訪園ではちょうどナイトズーラシアが開催されていました。家族連れやカップルから怪訝な目線を送られながら園内を闊歩してきたという話はおいておいて、今回の更新ではナイトズーラシアについては触れず通常展示のみの話をしていきます。

まず一つ目は、ひとつの動物を色々な展示方法(厳密には色々な仕切り方)で見せるということです。具体例はマレーバク、テングザルなどなど。インドライオンもそうですね。
モートと柵で見せたあとにガラス張りに誘導したり、ケージで見せたあとにガラス張りで見せたりといった具合です。これは例えば上野動物園と比較して特徴的と言えるでしょう。

続いて、多面的な見せ方をする展示があるということ。例えばフランソワルトンのケージのように、一面で見せた後違う面からも見せています。ただしこれは積極的にそのような手法を取り入れているというよりかは、偶然そのように色々な方向から見えるようになっているという可能性もあります。
考えてみれば不思議なもので、ケージというものは本来立体的なものであるにもかかわらず、例えばケージの裏側からの視点というのは観客に用意されていないことがほとんどですが、ズーラシアでは多少そのような視点が用意されています。

それから、全体的にガラス張りを多用しているということ。
特に印象的なのは、チンパンジーの展示です。これは確か旭山動物園もそうだったと思いますが、チンパンジーを屋内かつガラス張りで展示しており、このように霊長類、しかも人間に色々な観点でかなり近いと言われているチンパンジーをガラス張りで展示しているということには多少の含蓄があるでしょう。
チンパンジーの展示を見終えたカップルが、以下のような感想を言い合っていました。すなわち、

「チンパンジーと人間の境目ってなんだろうね。」

前回のエントリーを読んでいただければ、このような展示が以上の感想のように人間のアイデンティティーを揺るがす理由がおわかりになるかと思いますが、これを取り入れたズーラシアはいったいなにを目論んでいるのでしょうか。
他にも、柵の一部がガラス張り(正確にはアクリル?)になっている展示が多くありました。背の低い子供が柵越しに動物を見られるようにとの配慮でしょう。私はこれが、はじめから備え付けられたものなのか、あるいはあとから取り付けたものなのか気になりインドライオンの柵をじろじろと観察してみました。夜なのではっきりとは分からなかったのですが、どうやらはじめから備え付けられたもののようで、これはすなわちズーラシアでインドライオンの展示がはじまった当初からこのような視点が取り入れられていたことを示しています。

ということで淡々と振り返りましたが、はじめて目にした「アフリカのサバンナ」ゾーンはやはりわくわくしました。ヒガシクロサイがフンをしたときはにおいがひどくて周りは非難囂々だったりしましたが。オスライオンが野外で展示されている箇所などは映画ジュラシック・パークを見ているようで、少年の心をくすぐられるものでした。ナイトズーラシアなどと合わせて考えると、やはり動物園はディズニーランド、すなわちアミューズメントパークに近づいているなという印象を受けました。これはわくわくする一方で、自分の問題意識からすればあまり好ましくない方向です。しっかりと考察を加えていきましょう。


最後にまた余談ですが、時間の都合で「日本の山里」ゾーンが見られなかったのが残念でした。ツキノワグマの展示がモンハンのステージみたいで好きなんだよね。