zshio3721の日記

日本の動物園について勉強しています。アカデミックな価値は皆無です。

動物園学の根底を探る

大変お久しぶりの更新となりました。前回更新から今までの間、自分の中で動物園観が大きく変わるきっかけがあり、考えがうまく文章になる気がしなかったためです。

まず前回までの内容から、ひとつの研究テーマを思いついていました。

それはすなわち、「動物園はなぜ存在してもよいのか」より科学的には、「動物園はいかにして社会から希求されるか」という問いを発端とする研究です。

私はこの疑問の中心である、「動物園が社会から希求されている状態」を「動物園に多くの人が訪れている状態」と同義と捉え(市民が動物園という財・サービスを需要しているということ)、動物園の入園者数を被説明変数とし、どのような変数でそれが説明されるのかというモデルを複数作成することで市民が求める動物園像が浮かび上がるのではないかと考えました。

その際、キーワードとなるコンセプトが「イメージの消費」です。観客は特段、動物園に「教育・科学・種の保存」などを求めているわけではなく、単純なイメージの消費、言ってしまえば動物が目の前で動いて楽しければいい、と期待して動物園を訪れているだけではないか、というのが私の主張の中心でした。

しかしながらどうも、この娯楽と科学の二元論ではすっきりと説明できないことが多い。
そのため全く異なる観点から、もういちど動物園を捉え直す試みが必要そうです。なによりも上記の議論はすでに自省的な動物園関係者(ごく一部ですが)が論じていることです。

そのひとつのアイディアが、動物園展示のあり方です。人々は動物園で様々な発見をします。動物園は純粋な気づきの場となります。展示の仕方が、この気づきに大きな影響を与えていると考えることはそれほど突飛なことではありません。

ではいかにしてそれを考えるか。次回以降の課題です。